借りることが出来る人は限られていますが、条件が当てはまれば、市役所(市区町村)からお金を借りることも可能です。その具体的な方法を解説します。
お金を足りないときに、「お住まいの市役所、区役所」からお金を借りることは出来ないのか、という発想に辿り着く人は意外と多いです。
そう発想する理由は人それぞれでしょうが、おそらくまだ一度も消費者金融や銀行といったキャッシングやカードローンサービスを利用したことがない人にとって、いきなり申し込むというのはハードルが高いということが一因として挙げられるでしょう。
たしかに最初の一歩として心理的なハードルは低くなるかもしれませんが、市役所からお金を借りる際にはかなり条件が絞られることも知っておきましょう。
生活費などに困って市役所からお金を借りたい場合、生活福祉資金貸付制度という制度を利用することになります。この生活福祉資金貸付制度というのは正確には市役所ではなく、市区町村社会福祉協議会という団体を窓口にしてお金を借りることになります。
この制度は厚生労働省が大元として管轄している制度で、実施をしているのが各都道府県、及び市役所ということになります。お国の仕事+市役所仕事なので、基本的にはあまり頼れない、軽い気持ちで申し込むことが出来るものではない、ということだけはあらかじめ覚悟しておきましょう。
さて、この生活福祉資金貸付制度を利用できる人ですが、名称の通り、「福祉」目的の貸付制度です。よって、この制度を利用出来るのは以下の方々に限られます。
- 高齢者世帯(65歳以上の高齢者が世帯にいる場合)
- 障害者世帯(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を保有している方が属する世帯)
- 低所得者世帯(消費者金融などからお金を借りることが出来ない世帯)
高齢者世帯と障害者世帯に関しては、福祉目的としてなんとなく理解出来ると思います。問題は低所得者世帯という問題です。これだけは基準が曖昧で分かりづらいですよね。
厚生労働省の公式サイトでは低所得者を市町村民税非課税程度と定義しています。市区町村によって市町村民税は異なりますが、大体所得が35万円以下だったら多くの場合で、市町村民税非課税に該当します。詳細はお住まいの各市区町村の条例を確認してみてください。
生活福祉資金貸付は金利はとても低く抑えられています。なんと連帯保証人が立てられる場合には金利0%(無利子)です。
連帯保証人が立てられない場合にも年に1.5%と最低年率でも通常4.5%ほどの消費者金融業者で借りることと比べると大きな違いがあることがわかります。
この金利の低さの裏を返せば、実際に制度を受けられる人は本当に限られていることの裏返しとも取れるわけですが・・・。
生活福祉資金貸付を受けるためには貸付を受ける目的によって2通りの手順があります。
- 各市区町村社会福祉協議会に相談&申し込み。
- 申請書類の確認。
- 市区町村社会福祉協議会から都道府県社会福祉協議会に申請書類が送付される。
- 審査後、貸付決定通知書の送付(もしくは不承認の通知の送付)
- 借用書を提出する。
- 貸付金が交付される。
- その後返済。
- 自立相談支援機関に相談&利用の申し込み。
- 自立相談支援機関から市区町村社会福祉協議会に貸付業務が繋げられる。
- 以後、上に同じ。
市役所からお金を借りる、すなわちこれまでに見てきた生活福祉資金は限度額は消費者金融と比べると基本的には低めに抑えられています(福祉費は除く)。
以下、目安なので、詳細は相談をして確認をしてみてください。
- 生活支援・・・二人以上だと月20万円以内。単身だと月15万円以内。
- 一時生活再建費・・・60万円以内。
- 福祉費・・・500万円以内。
- 教育支援費・・・月3.5万円以内(高校生の場合)。
返済までの据置期間(元金の返済までの期間)は1が最終交付日から6ヶ月以内、2・3が6ヶ月以内、4は卒業後6ヶ月以内となっています。
ここまで見てきてなんとなくおわかりだと思いますが、市役所からお金を借りるというのはあくまで最終手段に近い方法です。
まずは、プロミスやアコムなどよく耳にするような消費者金融だったり銀行系のカードローンサービスに申し込んでみて、借りることが出来るかどうかを確認し、それから相談をするようにしましょう。